武蔵野線でもっと真新しい吉川市の請願駅。駅前でも地価激安すぎ
なまずと北斗晶のふるさと「埼玉県吉川市」に爆誕した武蔵野線で最も新しい駅「吉川美南」には何があるのか。気になって足を運んだが、2012年3月にオープンしたばかりともあって、駅舎も真新しく綺麗なのは結構だが、全く人の姿がない…当駅は吉川市の請願駅であり、駅の設置には市の税金が投じられている。
隣の新三郷同様、吉川美南駅周辺は武蔵野線沿線の中でこれまで最も開発が遅れていたエリアで、広大な武蔵野操車場の跡地がようやく最近になって土地区画整理事業によって住宅地として活用されるに至った土地である。つまり、まだ始まったばかりの街。駅利用者数は武蔵野線全線で最も少ない。改札口もご覧の通り。ポカーン。
駅前広場もひたすら何もない、だだっ広い空間があるのみというシュールな光景。駅前なのにこんなに空が広々と見渡せるのは吉川美南ならではの特権である。あと十年、二十年したらもうちょっと街らしくなるんでしょうかね。埼玉ではありがちなパチンコ屋とか、変なマッサージ屋とかが入った如何わしい雑居ビルとかが出来たりしない事を願いたいものだが。
一方、駅前ロータリーを挟んだ向かい側には小綺麗な大型マンションがそびえている。雨の日も駅まで走れば傘いらずといったところだが、そこは武蔵野線の駅。つくばエクスプレスの走る南流山までも、東武伊勢崎線が走る南越谷へも3駅ずつ離れている。それに風が吹けばすぐ止まる武蔵野線しか足のない街である。非常時は高いタクシー代を払って帰る事になるだろう。
ひとまず今の所、駅前で唯一と言って良い商業施設がこちら「イオンタウン吉川美南」である。駅周辺の住民にとっては当面普段の買い物はここに依存する他ないようだ。しかし武蔵野線に乗れば新三郷もレイクタウンも近い、それに自家用車もあるから問題ない、それで買い物便利だという認識であれば困らない。
新築マンションが死ぬほど安い街
都内の人気住宅地、例えば中央線沿いにあるような同じ築年数で同じグレードのマンションと比べれば、ここ吉川美南の物件はおよそ半額程度。地価が激安過ぎて、マイホームの夢を諦めかけていたサラリーマンには最後の選択肢として大いに有り得るのがこの武蔵野線沿線埼玉東部エリアの特徴である。
駅に近い一帯も新築マンションに限らず、このような戸建て住宅も多く見られる。非常に真新しい印象はあるが、どれも没個性的な佇まいで「建売住宅」感満載である。いずれもサラリーマン世帯向けに売り出していた物件なのだろう。ただ新しすぎる街なので住民の層がどのようになるのか不確定要素が強い。周囲の街を見回しても、三郷、八潮、草加、越谷…いずれもガラが悪い田舎町という印象しかないわけだが…
駅前にある某大手デベロッパー系マンションギャラリー。新築3LDKの一室2390万円から、ボーナス払い無しで月々5万円台からとその激安っぷりをアピール。武蔵野線は不便だが、マイカー通勤を前提とすれば外環道三郷西入口にも近く移動は捗る。さあどうしますかね?