世田谷ブランドの底力を見せつけられる田園都市線のアッパータウン
渋谷から東急田園都市線で5駅、最短11分で着く世田谷区の「用賀駅」。用賀だけに今まで特に来る“用が”なかったので何となく東京DEEP案内のレポにも取り上げた事すらない街だが、駅の改札を出るとのっけからシャレオツ感満載の再開発ビルと一体化した駅舎でちょっとビックリ。
用賀駅はバブルの余韻も残る1993年に竣工した「世田谷ビジネススクエア」と一体化しており、ご覧の通りのバブリーなデザインのド派手な駅舎となっている。地上28階建て高さ120メートルのタワー棟にはグルコサミンでお馴染みの「世田谷自然食品」の本社も入居している。テレビCMで「世田谷育ち」とさえ言っておけば健康食品だってどんどん売れるんだから、やっぱり世田谷ブランドってスゲーや。
世田谷ビジネススクエアが駅前のキラキラ度を盛り立ててはいるものの、駅前に広がる商店街はまあまあ、可もなく不可もなしといった所で、特に高級感を煽るような感じも見当たらない。なんか学生がたむろしているタコ焼き屋があったり、下町風情漂う昔ながらの銭湯も何気にあるような街なので、駅周辺だけを見れば根っからの高級住宅街という訳でもない。
用賀のセレブ度数を高めている周辺地域のアッパーな施設たち
しかし用賀の本気度は駅周辺だけを見ても推し量れるものではない。少し駅から離れた一帯を見てみよう。一体中にどんな住民がいるんだよと思うような、見た目にもやたらとおセレブそうなマンションがそこかしこに点在している。やはり世田谷の外れという事もあってさすがに「億ション」とまではいかないが、全体的に高級志向が高い。
用賀でも特に有名な「清泉インターナショナルスクール」。終戦直後に開設されたアメリカ人向けの教育施設で、今でも生徒の多くは外国人。宇多田ヒカルがここの出身なのは特によく知られた話だが、インターナショナルスクールというだけで入学資格も年間の授業料も半端でなく高いので、ちょっとした小金持ちなだけではこの学校の門をくぐる事はできない。
玉川台二丁目の住宅地には地元の用賀をはじめ田園都市線住みのマダム達が集う「グリル&ダイニング 用賀倶楽部」という意識高めなレストランもございまして昼間から1500円(+税)もする高級ランチをお召し上がりに来るお客様で満員御礼となっているザマスよ。ここの昼下がりの風景をひと度見ると、同じ東京なのに、違う街に住んでいるだけで一体どれだけ人間の生活に格差が出るのか、気が遠くなりそうである。