女子医大病院と韓国学校、そして下町風景も残る新宿の住宅地
「若松河田」という地名を聞いてもあまりピンと来ない人の方が多いのではないだろうか。都営大江戸線の駅名だが、場所は大久保・早稲田・市ヶ谷の中間にあり、新宿区若松町・河田町の両町名から取られた所謂合成駅名というもの。周囲を見回せば東京女子医科大学とその附属病院、さらに東京では唯一の韓国人学校「東京韓国学園」がある。
若松河田駅周辺で最も存在感を放つ東京女子医科大学病院。リスクの高い麻酔薬を使い幼児患者が死亡した医療事故と隠蔽事件の渦中にあった病院だが、明治41(1908)年に創立された歴史のある病院で、昭和初期に建造されたレトロモダンな1号館の建物が現存している。
永井荷風の旧居「断腸亭」があった事でも有名な余丁町界隈は再開発を免れた低層住宅が密集する下町風情のある路地裏が残っている。市ヶ谷刑務所跡に隣接する区画に弁天湯という銭湯もある。新宿区だからと言っても超高層ビルや繁華街ばかりではない事を実感できる一帯だ。その気になれば新宿の繁華街から徒歩で帰れるのは強みだが、周囲の街の雰囲気を考えれば治安がそれほど良い場所とは思えない。防犯意識は常に持っておかなければならない。
フジテレビ跡地は韓国人富裕層に人気の高級団地に
お台場の観光名所として定着した感のある民放局フジテレビがかつて本社を構えていたのが新宿区河田町。曙橋駅前から連なる商店街も以前は「フジテレビ通り」という名称だったが、今では「あけぼのばし通り」に名を改めた。お台場移転後に旧フジテレビ敷地が再開発されて出来たUR都市機構の高級団地「河田町コンフォガーデン」が街のシンボルタワーとして君臨する。すぐ向かいに東京韓国学園がある事から韓国籍を持つ富裕層世帯には人気の高い団地となっている。
河田町コンフォガーデン・東京韓国学園から若松河田駅方面に抜ける女子医大通り沿いには韓国人向けの電柱広告がびっしりと並んでいる。ハングルだらけの広告を見るとここが大久保に続く新宿区第二のコリアタウンである事が分かるであろう。日本最大の韓国人コミュニティである大久保にも近く、韓国人にとっては生活しやすい場所となっているのだ。
その他、若松河田駅周辺の写真集
若松河田駅真ん前にある小笠原伯爵邸。今はシャレオツなレストランだが以前は児童相談所だった
教育熱心な韓国人世帯が多い河田町界隈。韓国人児童向け学習塾まであるお土地柄
あけぼのばし通り方面にも韓国系の食い物屋や店舗が沢山ある。大久保同様コリアタウンです
昭和5(1930)年築の威風堂々たるモダンな佇まいの東京女子医科大学1号館