足立区の最果てタウン竹ノ塚は食品から人命まで全てが激安だった
地下鉄日比谷線・半蔵門線が乗り入れる東武伊勢崎線で東京都区内最北端にあるのが竹ノ塚駅。ここは日比谷線の始発電車もあるので一見便利そうなベッドタウンに見えなくもないのだが、駅東口の団地が立ち並ぶロータリーやその裏側の商店街に回ると足立区ならではのDQN全開な店舗が目白押しで土地柄を思い知らされる。
竹ノ塚で最も賑やかなのが駅前に二店舗を展開しているパチンコ店「ピーアーク」である。パックマンのパクリのようなマスコットキャラが居るのはさておき、このパチンコ店がお財布の中身が厳しい低所得世帯向けの「1円パチンコ」といった低価格貸玉を始めた発祥の地でもある。1円どころか0.5円パチンコというものまであり、なけなしの年金暮らしや生活保護受給者でも長く遊べるのが特徴。
パチンコを打ってる最中に腹が減ったら向かいの24時間営業「中華タカノ」に駆け込めば一杯350円で温かいラーメンが食べられるこの下町仕様。東京23区内の鉄道駅で地価が最低ランクの街だけあって、家賃から食費、パチンコ代まで激安で済んでしまうのが竹ノ塚の最たる特徴なのである。
また竹ノ塚界隈で度々噂されるのが地元の低所得層の主婦がお金に困って裏稼業を行うという「コロッケ○○」といった類の香ばしい話である。これらの噂はノンフィクションライターの佐野眞一氏が2006年に文藝春秋で書いたルポ「下層社会」で触れられていたものが発端で、確かに竹ノ塚駅東口の商店街には佐野氏のルポで触れられているそっち系のお店もあるのだが、どこまで本当なのだか。
「足立のリトルマニラ」の異名を持つ竹ノ塚のフィリピンパブ街
ただでさえイメージの最悪な足立区内でも特にDQN度数が高い「竹ノ塚」の雰囲気の悪さを作っているのが駅南東側一帯にある飲み屋街の存在だ。人身事故を度々起こる事で知られる開かずの「殺人踏切」の正面に伸びる通り沿いを中心にかなりの数のスナックが密集していて夜はガラの悪そうな客引きが歩道に連なり、前を通る事すら憚られる雰囲気となる。暴力団、チンピラ、不良の巣窟。下手すると歌舞伎町以上に何が起こるか分からない場所である。
だが同時にこの飲み屋街はフィリピンパブが50軒余りしのぎを削る都内最大のフィリピン人コミュニティとしても知られている。「足立のリトルマニラ」の異名すらある竹ノ塚。やたらと目に付くフィリピン国旗の数々にあんぐり。ちなみに隣町の草加駅西口の飲み屋街も同様の状態になっている。
NHK「ドキュメント72時間」で紹介されたフィリピンパブ「カリン」は朝5時から夜中まで営業しているタフなお店。朝ご飯も食べられるらしく出勤前のドカチン親父が自宅代わりに飯を食いに来たり、夜勤明けのタクシーの運転手が朝っぱらから呑めたり出来てしまう。足立住まいの男のオアシス。眠る事を知らない街、それが竹ノ塚なのである。
あの竹ノ塚がファンタジーな空間に変わる「光の祭典」
常々ろくなイメージが無い竹ノ塚界隈だが、毎年冬の風物詩として定着しているのが「光の祭典」と呼ばれるイベント。竹ノ塚駅東口から会場となる元渕江公園までのメインストリートの街路樹がイルミネーションで飾られ、東武伊勢崎線沿線住民(DQN多し)が集まり賑やかになる。
そんな元渕江公園だが、普段は例に漏れず暇な年金暮らしの高齢者の溜まり場となっており、日本の高齢化社会の現実がビジュアルで理解できる空間であるのは言うまでもない。また公園内の公衆トイレは地元のDQNがいたずらで破壊したり、夜中はソッチ系の社交場にもなっているのでその手の落書きが多く、カオスな事極まりない。皆さんこれが足立区の公園です。