駅から商店街から終始「ウルトラマンな街」
世田谷セレブタウンの代表格・成城のすぐ隣にある祖師ヶ谷大蔵駅。駅に近い世田谷区砧七丁目にかつて円谷プロダクションの本社があり、同社創業者で特撮監督の円谷英二氏の自宅もまた祖師谷にあった縁で、駅構内や北口の祖師谷商店街にはウルトラマンのキャラやそれをモチーフにデザインされた街頭照明などが街中にある。
ウルトラマン好きな人々にとっては「聖地」とも言える程の場所であるが、商店街自体は程々に発展していて賑やかでもあるし、黒湯銭湯の「そしがや温泉21」、赤提灯な酒場が立ち並ぶ「まるよし横丁」などもあり、まあなんとも程々に色んなものがあるといった感じの街になっている。
駅名は世田谷区祖師谷・大蔵の合成地名が取られているが、駅南側の住所は世田谷区砧となっていて、大蔵はさらに南側の世田谷通り以南の地域にあたる。大蔵に行くと世田谷通り沿いに電動制御によって自動で回転する「おおくら大仏」で有名な妙法寺がある。
祖師谷と言えば「世田谷一家殺害事件」未だ犯人見つからず
祖師ヶ谷大蔵駅周辺はなかなか良い感じにまとまっているのだが、一方で北に2キロ離れた位置にある「祖師谷公園」は仙川沿いに広がる都市公園で、周囲も郊外の片田舎じみた寂しい住宅地になっている。この公園内にぽつんと取り残された宅地で2000年の年末に起こったのがあの「世田谷一家殺害事件」である。
何の落ち度もない一家が突然の悲劇に遭遇し、その後犯人に繋がる決め手も出ず未解決事件となり毎年年末になると思い出したかのように「新証拠」を伝える続報が流されるが、もう15年も経過しており人々の記憶から忘れられつつあり、事件があった家屋も建物の老朽化が進み防護ネットが被せられているという。公園整備を理由に解体される予定になっているが、証拠保全の為に解体の目処が立っていない。