都心至近圏内では穴場中の穴場だが人通り少なく不気味
近年は都心回帰だとかベイサイドだとか何かと持て囃される江東区一帯。その中でも「潮見」は穴場中の穴場で、こんな所に京葉線の「潮見駅」というものがある。駅周辺には物流関係の倉庫や造船工場、印刷工場ばかりが集まる団地などがあってとても生活感が感じられない上に周囲を運河に囲まれた孤島のような土地。しかしこんな所に真新しいマンションが次々建っていて人が住んでいるのだから東京という都会は凄いものだ。有名な神隠し殺人のマンションはその名称を変えてはいるが、京葉線の線路沿いにそのままの姿で今も建っている。
駅周辺に乱立する真新しいマンション。しかし孤島状態である
JR京葉線で東京駅にすぐ出られる都心からの近さだけがメリットで、この何もない潮見の駅前にもマンションが多数建設されている。しかし商店街はおろか外食が出来るような店も少ないので、とても生活利便性があるとは思えない。せいぜい普段遣いできるスーパーも駅前のマルエツくらいしかなく、まだ自家用車があればそれなりに利便性は保てるだろうが、そうで無ければとてもお勧めできたものではない。
戦後のバタヤ部落の系譜…「新蟻の町」とは
かつては「深川枝川町地先第8号埋立地」と呼ばれていた潮見地区。生活感も乏しいこの街に一見場違いなキリスト教会が建っており「カトリック潮見教会」というが、ここはかつて戦後日本に存在した廃品回収業を生業とする最底辺労働者が集住する「バタヤ部落」が集団移転した「新蟻の町」と呼ばれる地区でもあった。かつてバタヤ部落の貧民救済に生涯を捧げ夭折した社会奉仕家・北原怜子氏の愛称を取って「蟻の町のマリア」と呼ばれている。