ここは東京のエルサレムか…三色旗はためく街
永田町が国会議事堂、霞ヶ関が官僚街といったノリで「信濃町」の地名がそのままの意味を成すように、ここは日本最大の新興宗教団体である創価学会の関連施設で占められる都心の宗教都市。近くには東京都神社庁、四谷の寺町、カトリック系施設が集まる四ツ谷駅周辺と、まさに宗教聖地のるつぼ、いわば東京のエルサレムのような土地だ。
信濃町駅ホームに降り立つと既に広告からして創価関連のものばかり。あまつさえ公明党本部のビルも近くに見える。「新宿区信濃町」にあたる区画は慶應義塾大学病院の敷地を除けば殆どが創価学会施設。年々土地の取得を進めていて、地区の人口は半数以下にまで減ったという。商店街のマークにもお馴染みの三色のラインが使われていて、妙にミニストップが多かったり、学会員御用達の本屋や仏具店などが軒を連ねている。教団幹部の居住区域もあって警備は厳重で、スーツ姿の警備員が沢山見かけられる。常にピリピリと張り詰めた空気に満ちている。
元鮫河橋スラム
居住可能区域としては急坂を下った先にある南元町や若葉三丁目付近に限られる。かつて鮫河橋スラムという東京三大スラムの一つに数えられる貧民街が形成されていた場所で、その名残りとして谷底に古ぼけたアパートが点在する陰鬱な街並みが広がっている。雰囲気も宜しくないのもあって、山手線内側のド都心らしからぬ安値で借りられるアパートが多い。逆に高台の上は高級マンションが多く、その対比も際立っている。