上京民が何となく憧れて住みたがる「万年学生街」
東京の数ある街の中でも毎年のように田舎から上京してくる学生が有難がって住む人気の街としては高円寺と並ぶ二大巨頭の一つとなっている「シモキタ」。不動産業界の「住みたい街ランキング」でも上位に食い込む事が多いが、実際にここに住むとなると地代は高いし、高円寺のような貧乏臭いボロアパートは最近解体された「良忠荘」以外にはそれほど見かけられない。
まず下北沢はリア充の二大溜まり場となっている渋谷と吉祥寺を結ぶ京王井の頭線の駅があり、この沿線が「平均年収ナンバーワン、日本一お金持ちが住んでいる路線」としても知られる通り、高収入世帯とええとこボンボンの苦労知らずの学生が主要人種で占められていて、下手にこじらせた非リア充が迷い込むと窒息死する恐れが高い。
そして街を闊歩する人々の姿もひたすら平均年齢が若いのが最大の特徴である。商店街にはまだ学生と思しき20代の男女向けに、彼らの購買欲をそそるチャラけた雑貨屋や古着屋がわんさと軒を連ねる。ちょっと歳を食って中年掛かってくると早々に居づらくなる事必至だろう。
演劇の街…高円寺同様サブカルを牽引する街だが志向は違う
下北沢はサブカル厨にもたいそうウケが良い街ではあるが、シモキタのそれは高円寺の「中央線文化」とはやや趣きが違う。
対外的には「演劇の街」としての知名度も高く、下北沢の街には本多劇場やザ・スズナリといった劇場が多数あり、サブカルとは言えども志向は上流階級、駅周辺の住宅地もごく一部を除いては高級住宅地ばかりで、ここいらは散歩していても溜め息が出そうになる。
高円寺のサブカル民はひたすら歳を重ねながら「沈没」していくだけだが、下北沢のそれには絶えず「上昇気流」が渦巻いており、これも若い平均年齢と高い平均年収がもたらす傾向なのだろうか。
ちなみに本多劇場が入居する「マルシェ下北沢」にあるヴィレッジヴァンガードはやけに店の敷地が広くオサレサブカルの世界に足を突っ込み始めたばかりのカッペ学生がキャッキャウフフとはしゃぎ回る名物店舗になっている。
その他、下北沢駅周辺の写真集
駅前の名物バラック「下北澤驛前食品市場」も小田急線地下化の際に大部分解体され虫の息に
何気ない街の服屋でもどこかオサレサブカル女子ウケ狙い。それがシモキタスタイル
賑やかで若者向きな下北沢の商店街群。赤提灯が好きなオッサンには居心地があまり良くない
下北沢の名物建築「鈴なり横丁」。演劇場「ザ・スズナリ」の他は全て飲み屋街
北沢四丁目井の頭通り沿いにあった伝説のボロアパート「良忠荘」は最近解体された