昭和遺産「都営西台アパート」のある街。高島平の手前もやはり団地だらけ
ただでさえマイナーな板橋区で輪をかけてマイナーな都営三田線沿線の板橋区。海抜ゼロメートル地帯の高島平地域の最も東側に位置する「西台駅」を降りると目の前には昭和の高度経済成長期に建てられた巨大団地「都営西台アパート」(昭和43年築)が鎮座する。でかい。ひたすらでかい。しかも都営三田線の車庫を兼ねていて、車庫の上の人工地盤に団地が建っている。こういう場所は他ではそうそうお目に掛かれない。
しかしこの西台アパートも築50年が過ぎているせいで住民は高齢者ばかり。新たに若い世代も入ってこないので団地内にあった小学校も廃校して駐車場に変わっていたり、時代の波に取り残された感が半端ない。駅直結かと思いきや仕様が古いせいでバリアフリー非対応で、一旦改札を出て高架下をぐるりと回って後付けされたエレベーターやスロープを使ってヨッコイショと移動せねばならんので、手押し車が必須な高齢者の移動もままならない。
西台住民の有力なお買い物スポットとなっている「ダイエー西台店」も年季の入り方が相当なものとなっている。昭和53(1978)年開業。全く垢抜けてないし老人の溜まり場だが一通りの物は揃う。しかしいい加減くたびれてきている。一応「大東文化大学」という、所謂”大東亜帝国”に数えられる大学のキャンパスが最寄り駅なんですが、駅前を見回した限りアカデミック感は皆無です。まあ板橋区だししょうがないか。
その上、西台駅から乗れる「都営三田線」はやたらと途中駅が多いせいで所要時間が無駄に長く、ようやく山手線に乗り換えられると思ったらそこはおばあちゃんの原宿「巣鴨」だったりして全く地味過ぎて華がない。そんな巣鴨に行くのですら17分掛かるので、想像以上に都心からの遠さを感じてしまう。全く良い所が見当たりませんが、その分お家賃相場はグッとお値打ちとなっております。