かつての“NK流”も影を潜め、もはや中国そのものと化してしまった移民社会の試金石
赤羽駅から京浜東北線で2駅先にある埼玉県川口市の「西川口」。かつて鋳物産業で栄えた事もあって戦前戦後を問わず工場労働者が住む土地で、JR西川口駅は戦後の昭和29(1954)年に新設された駅で、開業当初から労働者の歓楽街としての性質が強く、駅周辺の飲食街やソッチ系の店の充実ぶりもあれば、川口オートレース場への送迎バス乗り場もあり、オッサンの三大欲求「飲む打つ買う」が揃った街となっている。
1990年代に東京都の規制強化によって赤羽付近から追われた風俗関係業者が都県境を跨いだ西川口で非合法の「商売」を始めるようになり、その事はやがて全国区の知名度を誇るまでとなったが、2006年には法律改正により違法店舗は一斉取締りの末壊滅に追いやられた(しかしその後も上記の貼り紙の通りマンションの一室で違法営業を続ける店舗が残っていたりもした)。その結果駅周辺の雑居ビルの多くは廃墟化して街は寂れてしまい、2010年頃の街中の光景は見るも無残なものだった。
違法店舗が入っていたテナントビルは長らく放置されていたものの、都心からの利便性が高い割には地価の安い西川口のイメージの悪さ故になかなか日本人の店主が入らなかった事に目をつけた中国人が続々入居、中華料理店や食材店へと姿を変え、ここ数年の間に新興チャイナタウンとしての性質が際立つ結果に。
駅西口には特殊なお風呂屋さんが営業許可を受けている地区があり、ここだけは相変わらずアレでナニな感じであるが、現在では裏営業の客引きによる声掛けも見られなくなった。また駅周辺は川口市西川口、並木、西青木の他、蕨市塚越、南町、戸田市喜沢といった地域が隣接している。いずれも地価はお安く、住民の質はそれなりのものとなっている。
完全に中国人の植民地と化した西川口
かつて西川口駅周辺は韓国人を始めとして、タイやフィリピンなど東南アジア系外国人が経営する店舗が非常に多く、特に駅西口の南西側一帯には錦糸町や小岩でも見かける韓国系食材店「BIG5」の店舗があったり数多くの韓国料理店が軒を連ねている多国籍タウンだったが、近年はそれを上回る勢いで中国人人口が急増している。
今となっては中国国内の各特定地方の料理を専門に扱う店やアジア各国の食材店まで揃っており、もはやパスポートのいらない海外旅行が楽しめるレベルである。特に駅西口の一帯は完全に中国人社会がマジョリティ化しており、中国語のギラギラしたネオン看板が轟く異国情緒しか漂わない一帯に。日本がいずれ迎える移民社会の試金石、それが西川口なのである。
もっとも地価が安く都心に近いという理由だけに留まらず、元から差別や偏見が少ない土地柄からの事で、川口市周辺は外国人労働者が非常に流入しやすい状況にある。やはり隣の蕨駅周辺も同じような状況が見られる。
やはり気になる治安の心配。ファミリーで住む街じゃあない
どう考えてもイヤ~な要素しか思い浮かばない西川口にどうしても住むというのなら、治安のリスクがどれだけあるか考えた方が良い。駅周辺の風紀は依然悪いままで、このように路上にゴミが散乱するのは日常風景のうち。ファミリー層にはとてもじゃないが我慢出来るレベルではない。
しかし失うものが何もない独居男性であれば家賃も安いし一人呑みできる店も充実しているので、まさに西川口のような街が天国であると思える事必至であろう。土日は無料の送迎バスに揺られてオートレース場へお出かけ。「飲む打つ買う」バッチリ三拍子揃ってますね。
また西口でも駅から離れた済生会通りの「ザ・プライス西川口店」から南側は雰囲気がもう少しまともになるので、どうしても西川口に住まざるを得ない事情があったら、この辺を選ぶのも消去法的手段で考え得る選択肢だ。もっとも、このザ・プライスの一階にあったポッポも撤退して中国人経営の餃子屋に衣替えしていてチャイナ化著しい件。