千葉都民通勤ラッシュの関所。駅前は派遣労働者だらけ
西船橋駅はJR総武線各停、武蔵野線、京葉線、それに地下鉄東西線と東葉高速鉄道が乗り入れ、朝夕は大勢の通勤客で駅構内がごった返す。いわば交通の要衝、千葉都民にとっての関所のような駅の一つだが、駅前に目をやると一昔前の佇まいのバスロータリーと申し訳程度の商店街があるだけで見栄え的にはかなりしょぼい。
一方、南口は京葉工業地帯への通勤客で早朝時間帯には人が行列を成している風景が見られる。しかも時給数百円ポッキリで働く人材派遣会社所属の派遣労働者ばかりである。西船橋駅の南口には味気ないマンションやパチンコ屋に混じってそんな派遣労働者を仕切る人材派遣会社の事務所が多数ある。派遣労働者は日本人だけではない。肌の黒いアフリカ系住民までいる。同様の風景は京葉線の二俣新町、市川塩浜、新浦安各駅でも見かけるが、西船橋はとりわけ人数が多い。いわば東京辺縁部の最底辺を見る事ができる街なのだ。
乗り換えの要衝駅なのに微妙に不便さを感じる
一見、多数の路線が乗り入れして交通至便に感じる西船橋ではあるが、よくよく見ると微妙に不便さを感じてしまう。まずJR総武線の快速電車はこの駅をすっ飛ばすので、この駅で武蔵野線に乗り換えたい場合は快速に乗らず黄色のラインの各停電車で行く必要がある。武蔵野線から直通する京葉線も東京方面と千葉方面でそれぞれ電車の数が限られているので、タイミングによっては東京方面に行きたい場合でも先に来た京葉線直通の電車であれば逆方向の千葉方面でも構わず乗ってしまい、隣の南船橋駅で東京方面の電車にまた乗り換える必要が生じる。これは上京したばかりの通勤初心者にはさっぱりワケワカメであろう。
北口から少し離れた所に京成本線の京成西船駅もあるが、こちらは各停電車しか止まらず乗り換えに使うには利便性が悪いので、東西線経由で京成線で成田空港に行く場合はJR総武線をひと駅分乗って隣の船橋駅まで出るなりしなければならない。
東西線ユーザーなら直通する東葉高速鉄道で終点の東葉勝田台駅まで行って、そこから京成線に乗り換えて成田空港に行く方法もあるが、電車賃がべらぼうに高くなるので注意が必要だ。
また千葉都民を輸送する大動脈である総武線が人身事故などで不通になった場合は東西線や京葉線、京成線に振替輸送が行われてそれぞれのプラットホームに通勤難民が殺到する。新小岩駅で飛び込み自殺が起きた時に猛烈に怒り狂っている人の多くは千葉都民だ。