相撲部屋と元花街とウ○コ煮込みおじさんの街
中野坂上から分岐する丸ノ内線方南町支線でひと駅先にある中野新橋駅。駅名の通り、駅前には赤い欄干が特徴的な「新橋」が掛かっており、港区の新橋と混同しないよう「中野」の地名を冠している。戦後の頃まで花街として栄えていたともいう地域だが、他の三業地とは異なり現在はその面影すら探すのも難しい。
やはり相撲界の名門「貴乃花部屋」があるのがこの街の誇りか。商店街の街灯にもスモウレスラーのシルエットが刻まれているあたり「相撲の街」を実感できよう。確かに街を歩くと恰幅のいいお相撲さん達の姿を見かけるのである。
しかし方南町支線はご存知の通り、基本的には中野坂上から方南町までの区間を三両編成で運行している故、車庫のある中野富士見町から直通運転する電車を除けば中野坂上での乗り換えが必須。この不便さが災いして駅周辺の発展度もなんだか微妙。その分家賃相場は丸ノ内線の新中野~荻窪間に比べても一回り安くなる。
まあこの辺なら終電を逃してもタクシーで2000円以内、その気になれば新宿から歩いて帰れる距離でもある。都心に近くお値打ちに暮らすのならどうでしょうか。
ドラマロケで多用。レトロな下町風情ある「川島商店街」
中野新橋駅から徒歩5分の場所にある弥生町三丁目の「川島商店街」がこの界隈では商店街としての体を成している場所となる。駅からやや離れているのもあって、東京ではありがちなチェーン店が侵食する事も少なく独特の落ち着いた下町風情ある佇まいが残っている。それほど店が多い訳でもないが、普段の買い物には困らないであろう。
決して栄えているというまでもない場所だが、逆にその事でテレビドラマのロケでよく使われている。俳優好きなミーハーな趣味をお持ちの方は如何でしょう。
しかしこの川島商店街が地獄の底に叩き起こされた悲劇の出来事があった事を決して忘れてはならない。商店街近くの民家に住むおじさんが困った事に自宅の庭で排泄物を煮込んだりして周囲に悪臭を撒き散らした事件があったのだ。この悪臭は川島商店街にまで流れ着き、その影響で店舗が営業できなくなる被害もあったという。
2006年に東京都環境確保条例違反容疑で逮捕されるまでの3年半に渡り街中に悪臭を放ち続けた「ウ○コ煮込みおじさん」、今も同じ場所で暮らしているようだが、もう悪臭は漂って来なくなった。
また2015年8月に川島商店街近くのマンションに暮らしていた劇団員女性が殺害される事件が起きているが、現在犯人不明で未解決となっている。駅や商店街に近いと言っても遅い時間には人通りもまばらになるし、死角も出来やすい場所である。その意味では女性の一人暮らしにはあまり向かないかも知れない。