武蔵小杉

川崎市

住みやすさ指数 3.2/5.0 満点中

  • 総合:タワマン乱立で痛勤地獄が常態化。隣の元住吉にでも住んでなさい
  • 治安:川崎区よりは悪くないけど良いとも思えない
  • 家賃:タワマンバブルで地価がうなぎのぼり。都内でもないのにあり得ない。川崎区港町の「リヴァリエ」と要比較
  • 買物:タワマン住民はグランツリー、ららテラス、フーディアム、旧住民はヨーカドーと住み分けされている
  • 食事:タワマン住民はグランツリーのお高い飲食店でディナー、旧住民はセンターロード小杉の居酒屋に溜まる
  • 外人:多国籍エリアの川崎区よりは少ない感じがします
  • 文教:法政大学第二中・高等学校
  • 医療:日本医科大学武蔵小杉病院
  • 交通:東急東横線・目黒線、JR南武線・横須賀線
  • 災害:2019年の台風19号水害での汚水逆流騒動は永遠に語り継がれる

工場地帯にタワマンバブルが弾ける街・武蔵小杉、人大杉

川崎駅から北西に約6キロ、東京都心から南西に約15キロ、川崎市中原区に位置する「武蔵小杉」。昭和の時代は沢山の工場が立ち並ぶ、川崎市ならではのガチ工業地帯だった街だったが、首都圏一極化の波に乗って立ち退いた工場跡地にボコボコタワーマンションが建設されまくり、見栄っ張りの小金持ち新住民がわさわさ増殖しまくった事で急激に変化した街の代表格となった。

オサレ度数高すぎのアッパー路線である東急東横線で特急に乗ると渋谷まで13分、おスイーツタウンの自由が丘まで4分という地の利の良さ。さらに川崎市内の労働者運搬線である南武線が交差し、さらに2010年に新設された横須賀線ホームのお陰で都内のどの場所にも行きやすくなったと「武蔵小杉最強伝説」を主張する人々もいるが、決して全ての住民が手放しで万々歳な訳ではない。

その理由の一つとして、新しい横須賀線ホームにおける「通勤ラッシュ」が年を追うごとにどんどん酷くなっている事が挙げられる。武蔵小杉駅周辺には2020年2月現在12棟もの超高層タワーマンションが建てられ、横須賀線ホーム開業から数年で利用者が急増、毎朝の通勤時間帯にはホームに客が入り切らずに改札の外まで行列が出来るのが常態化している。サラリーマンが多く利用する東京・品川方面に直接行くにはここから乗るしか方法がない。

一方、同じ駅とは思えないくらいに長い連絡通路を介して行く事になる南武線ホームも川崎駅方面にしか行けない上に6両編成の短い車両しかないので、通勤ラッシュを捌けるほどのキャパシティも無いのが現状。タワマンをホイホイ買って住むような小金持ちカッペ住民には「JR東日本」しか眼中にないので意外に見落とすのだが、頭の上を走る東急線は目黒、三田(田町)、内幸町(新橋)、大手町(東京)に伸びる都営三田線直通「東急目黒線」の車両も走るのだから、多少時間が掛かるのが面倒でもそっちも使って欲しい。

「○○と煙は高い所へ登る」を地で行くタワマン新住民と下町旧住民のせめぎ合い

雨後の筍の如くニョキニョキとそびえる武蔵小杉のタワーマンション。そりゃ買った人間にとってはたいそうな優越感が得られる代物だろうが、そもそも販売価格が7000万とか8000万といったボッタクリ相場というのがいただけない。まだ都心の佃島や勝どきあたりでその値段なら理解もできるが、ここは川崎市なんですよ?まさか多摩川の対岸の田園調布あたりを指差して「田園調布の近くに住んでるのよ、ウフッ」だなんて、田舎の実家の家族に自慢こいているのだろうか。

しかしそんな浮かれポンチなタワマン新住民を快く思っていないのが、はるか昔の工業地帯だった頃からこの地で暮らしては「センターロード小杉」あたりで呑んだくれている小杉旧住民の方々。「ムサコマダム」なんてアホな言葉がまかり通る現状をどう思っているのだろうか。何がムサコだ、小杉は小杉だろうが、と愚痴の一つもこぼしたくなるもの。

ちなみにまちBBSの武蔵小杉スレあたりを見ていると延々と「武蔵小杉をコスギと呼ぶかムサコと呼ぶか問題」で住民同士がいつまでも荒れているので、まあなんとも、豊洲スレに通ずる痛々しい感じなんですが。住民急増のせいで駅も混むわ、待機児童問題も酷いわで、結局大変な事になっている。乱開発のツケはあらゆる形で将来的に住民に回ってくるわけで、開発を主導した川崎市にも批判の矛先が向いているのである。

そもそもこれだけの大量のタワーマンションが多摩川からそう遠くないこの地域に林立しているというだけでも、年がら年中異常なビル風に晒され、特に冬場の寒さには堪えること必至。それにタワマン住民はそれなりに裕福な層が住んでいるのだろうが、住民の質までは良いとは言い切れない。一部の住民がタワマンの上からゴミや物を落としたりする危険なトラブルも相次いでいる。決して忘れてはならない、ここは川崎市なのだ。

自称「ムサコマダム」の購買欲をそそる無駄にお高い食い物屋やショッピングモールが入居している街のランドマーク的商業施設「グランツリー武蔵小杉」。2014年開業以来、武蔵小杉を「住みたい街ランキング」の上位に押し上げているオサレ成分の高い施設ではあるが、タワマン乱立で地価がうなぎのぼりになっている武蔵小杉にあえて住まずとも、一駅離れた新丸子や元住吉を住む場所として選ぶ人々も最近では多くなっている。「バカと煙は高い所へ登る」を地で行く人々が選ぶ街、それが今の武蔵小杉なのだ。

それ見たことか、台風被害で“下水逆流”!タワマン住民が泣きっ面だ

2019年10月に起きた台風19号による多摩川の増水で、浮かれっぷり甚だしい武蔵小杉のタワマンセレブが泣きを見る結果となった。そもそもタワマン街自体が低湿地帯に作られた工場の跡地で、その一部は河川跡でもある。多摩川から溢れ出た水が下水道を伝い逆流し武蔵小杉のタワマン街に一斉噴出。「武蔵うん○杉」「ブリリリ武蔵小杉」だの、ネットで散々バカにされてしまう事態に。

一部のタワーマンションで地下が浸水し、電力供給がストップ。部屋の電気はもちろんのこと、エレベーターも停止、ポンプ操作の上下水道までもが停止したことで、特に上層階ではトイレの水が流せず、住民が用便を済ませる事もできない状態に。特に被害の大きかった某タワーマンションではしばらくしてから非常用電源が設置され、最低限の電力が確保されたりもして、普段どおりの日常生活に戻れたのにそれほど期間は要しなかったようだ。

だが、そうした事態がセンセーショナルに報道されると生み出されるのが「風評被害」というやつである。武蔵小杉のタワマン街は「資産価値が暴落」するとの一部報道もあり、せっかく大枚はたいてタワマンの一室を購入した「勝ち組」な方々はこの先も延々と苦汁を舐め続けることになりそうだ。

その他、武蔵小杉駅周辺の写真集

タワマン乱立で人口爆増の武蔵小杉だが、まだまだ懲りずに建設中のタワマンあり。これで合計12棟

相鉄・JR直通線が乗り入れる先もまた武蔵小杉。スカ線ホームの駅名表示板が尚更カオスな事態になってしまった。通勤リーマン達はこの沿線で地獄を見るぞ…

乗り場を間違えた時の絶望感は首都圏ナンバーワンの武蔵小杉駅。東急寄りの南武線側の改札に行くと横須賀線ホームまで「約10分ほどかかります」

通勤ラッシュ時には入場規制が度々かかるJR武蔵小杉駅新南改札も汚水逆流の被害を受け改札機故障。数日間封鎖された

タワマン街の被害ばかりが強調されたが、上丸子山王町付近、南武沿線道路沿いの住宅街も浸水被害が酷かった

オールド小杉住民の溜まり場「小杉センターロード」が今の武蔵小杉に残る数少ない良心。下町オヤジ御用達。これがいつもの川崎スタイル

ニュータンタンメン本舗と並ぶ土着武蔵小杉民のソウルフード「ラーメン丸仙」

あと、武蔵小杉がらみの何か


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