ブレーメン通り&オズ通りがあるだけで満足。実生活に即した便利でまともな川崎の下町
川崎市中原区、近年再開発でタワマンがボコボコ建ちまくる武蔵小杉のすぐ隣にある駅「元住吉」。通称モトスミとも呼ばれる街であるが、東急東横線沿線では川崎市内の3駅中の一つでもあり、元々は工業地帯だった武蔵小杉に隣接するために下町ベースな街並みでありながら、ハイソ志向の東横線民も抵抗なく溶け込めるくらい、程々にシャレオツな店舗も充実している、そこそこ穴場な街でもある。
各駅停車しか止まらないものの駅前が妙に栄えている、その理由の一つが元住吉の看板的存在になっているのが駅前から東西に伸びる二つの商店街。そのうち西側に伸びる「モトスミ・ブレーメン通り」、なぜかドイツ・ブレーメン市のロイドパサージュ商店街と提携してドイツかぶれになっているのだが、非常に店が充実しまくっていて便利なのである。
全長500メートル程の商店街にはマルエツ、えばらや、生鮮市場ダイイチなど食品スーパーが揃い、その他ありとあらゆる日常生活に即した店舗が揃っており生活に困る事がない。沢山の買い物客がチャリンコを置いていて些か面倒臭くもあるが、このくらい栄えている街であれば雰囲気は悪くない。この時点で個人的にはタワマンバブルでアホみたいになっている武蔵小杉よりこちらに軍配を上げたい。
東横線おスイーツ層にも川崎土着下町層にも受け皿が広い元住吉の商店街
各駅停車しか止まらない割には駅前商店街も充実しており、さらには飲食店も川崎土着下町民的なドカチン飯を提供する老舗洋食屋みたいなのもあれば「パンが無ければケーキを食べればいいじゃない」的な東横線おスイーツマダム層も満足しそうなアッパーなレストランもあって受け皿が広い。
また個人商店が充実している西側のブレーメン通りと、チェーン店ばかりの駅近エリアや駅東側のオズ通り商店街のような住み分けもあって、単身世帯やファミリー層を問わず外食のバリエーションも豊富である事も元住吉の魅力的な点である。
敢えて欠点を挙げるとするなら東横線なのに川崎市内らしく品がないパチンコ屋とかが何軒もずらずら店を構えていたりするところと、せいぜい各停しか止まらないのが不便に思うくらいか。しかし田園調布のような無菌空間で育つより、こういう街で育った方が感性のある人間にはなりませんかね?