吉祥寺民面しながらコスパも良い街、限りなく杉並に近い練馬
高田馬場駅が事実上のターミナル駅で、家賃相場も人気の中央線より二回りお安い代わりに地味で後進的なマイナータウンでのしがない暮らしに苦汁を舐める事になる「西武新宿線」の沿線で、鷺ノ宮の次に急行が止まる「上石神井駅」。ほぼ埼玉扱いされる練馬区の中で最も南にある駅で、すぐ近くに青梅街道が走り、路線バスは吉祥寺行きと西荻窪行きがある、という事で村上龍的表現で言う「限りなく杉並に近い練馬」の街。
鷺ノ宮もそうだが、急行停車駅だからと言って駅前が栄えているかというと決してそうではないのが西武新宿線の残念ポイントなのである。駅前を南北に貫く商店街も青梅街道寄りの南側(庚申通り)はこの通りの状況。みんなバスに乗って吉祥寺に出掛けちゃうのでお金を落としてくれないんでしょうかね。
しかし急行を使えば高田馬場まで12分で行けるので、考えようによってはコスパも良いし、駅徒歩圏の新築マンションだって「ブリリアシティ石神井台」は3LDKの一室を4700万円台で販売していた。中央線沿線だと23区内の新築マンションをこの値段で買えるのはまず無理。武蔵小金井くらいまで行く羽目になる。
上京カッペ民の皆さ~ん!憧れの吉祥寺までバスで18分ですよ!
隣の武蔵関もそうだが、上石神井から吉祥寺までは路線バスが頻繁に出ていて、最短片道18分(※Googleマップによる。実際は渋滞などでさらに時間が掛かる事もある)でカッペ民憧れの住みたい街ナンバーワン「吉祥寺」に足を運ぶ事ができる。故に吉祥寺のオシャレなカフェでたむろして澄ました顔でカフェ飯を食ってるスイーツ女連中を掴まえてどこに住んでいるのか聞くようなテレビ番組では毎回武蔵関と並んで上石神井の地名が出る。「でかける人を、ほほえむ人へ。」安定の西武鉄道グループのバスが大活躍でございます。
一方で、上石神井にどっしり根を下ろしている食い物屋を見物すると、このようなジャンボ餃子をウリにする「一圓」といった、いかにも西武線クオリティな店も出てくるが、一方で吉祥寺からバスに運ばれて流れてきたオサレ菌が伝染したかのようなカフェ飯屋もそこそこあるので、練馬の中では割とオシャレさんな街と認識しても良いようだ。
あと上石神井駅近くにある青梅街道に、現在延伸工事中の「東京外郭環状道路」のインターチェンジが作られる予定となっているが、一部の地元住民から猛反対を受けている。少し歩けば杉並区側の善福寺公園もあってここには杉並の中でも割と富裕層が多く住んでいて、こちら側は練馬区民ではあるが、やはりこの界隈も練馬の中でも住民の環境意識は高い地域になる。青梅街道ICは実現するのか否か。