オッサンとスッチーと神命大神宮信者が仲良く暮らすド下町
東京23区の南の果て、そして空の玄関口である羽田空港にも近い京急空港線沿線のド下町エリアもまた穴場感満載。特に京急蒲田駅からひと駅離れた糀谷駅で降りると、駅前から連なる商店街の賑やかさに一瞬面食らうくらいのテンション。蒲田が治安の面でどうしても心配だというなら、こっちに住んでしまった方が気が楽かも知れない。
一昔前までは地べたを走っていた京急空港線も高架化されて踏切も消え、駅前の様子もまた変わってきた。羽田空港勤務の空港職員やスッチーな方々は下町情緒どぎつくも普段使いできる商店が豊富な当地を住み家に選ぶことも多い。大鳥居から先はお世辞にも栄えているとは言えず、現実的な選択肢がここしかないという事情もある。
特に駅から環八通りを跨いだ南側一帯に広がる「糀谷商店街」は下町大田区の本気を見せつける繁盛ぶり。せわしなくチャリンコを漕ぐ地元民がわっさわっさ通り抜けるものだから危なっかしい。まるで大阪の下町みたいだ。アーケード商店街はないんですけどね。
下町糀谷に根付くローカル教団「神命大神宮」
大田区と言えば日本最大の新興宗教団体である創価学会のボス、池田大作先生の生まれ故郷があり、同教団の布教が非常に活発な地域のイメージがある。しかし糀谷に関しては少し事情が違う。「神命大神宮」(神命愛心会)というローカルな宗教団体の本拠地となっていて、町中にはこんなド派手な広告看板が掲げられていたり…
やたらとご立派な教団施設がそびえていたりする、ちょっとした「宗教タウン」でもあるのだ。同教団は栃木県那須町にも施設(那須別宮)を持ち「黄金の巨大神像」をおっ建てて珍スポットぶりを発揮するなど、面白宗教マニアな方々の間ではちょっと無視できない存在だ。
そして毎年11月23日(勤労感謝の日)には神命大神宮の信者達が日本各地の神話の神々の格好をして糀谷から蒲田駅までの環八通りを中心に練り歩く超絶豪華パレード「神代行列」を披露する。八百万の神が一堂に会する、有り難すぎるにも程があるイベントだ。大田区民の宗教パワー恐るべし…