半グレ集団怒羅権発祥の地、治安悪し。車さえあれば利便性は良い
東京の南東の外れ、江戸川区葛西。戦後に地下鉄東西線が通るまでは農地しかなかったような場所なので街並みは新しく、駅の真ん前を環七通りがぶち抜き、幅広道路があちこち街をぶった切っているので歩行者にはとても優しくない街並み。しかも真新しいマンションばかりでどこまで行っても人工的な風景が連なっていて、古い商店街みたいなのは皆無なので、そのへんが気になるかどうかで好みが分かれる所だ。
駅周辺にある飲食ビルはちょっと胡散臭さが際立っていて夜は客引きも現れ雰囲気が悪く、しかも中国残留孤児の不良グループ「怒羅権」が結成されたのもこの葛西なので、元からそういう土地である事を認識しておく必要がある。治安が悪い事を除けば、総合レクリエーション公園や葛西臨海公園、地下鉄博物館など子供連れで楽しめるスポットが充実しているので、それなりにファミリー層が多い理由もうなずける。あとは自家用車があれば東葛西九丁目にあるヨーカドーや巨大な島忠ホームズの店舗にも行けて生活利便性は大幅に高まる。車がなければ最低自転車の一台はあった方が良い。
大地主パワーが強い江戸川区の中でこちら葛西にも「宇田川」「保戸田」「彦田」といった特定の苗字がやたらと多いのが特徴で、これらの苗字の人を見つけたらだいたい地元が葛西だったりする。なお現在「ピタットハウス」の店舗名で全国展開している不動産会社「スターツ」も西葛西が発祥の地。東京の東の外れで地主パワーを実感しよう。
東西線激混みエクストリーム痛勤ゾーン
地下鉄東西線で乗り換えなしで大手町までたったの１７分。その見た目の通勤利便性の良さと地価のお値打ちさから人気の住宅地扱いされている江戸川区の葛西。何故か「住みたい街ランキング」の２０位以内に組み込まれる事もあるような街だが、地下鉄東西線の激混み具合はよく知られた大問題。混雑のあまり自動ドアのガラス窓が割れるとかどうかしている。強風時に京葉線が止まると通勤客が東西線に流入してくるので、にっちもさっちも行かなくなるのだ。これが嫌なら、都営新宿線の船堀や一之江あたりを選んだ方が賢いだろう。写真はちょうど通勤時間帯に出くわした東西線のトラブル運休中の葛西駅の様子だ。阿鼻叫喚の地獄絵図である。もう一本くらい地下鉄通せよマジで…
葛西駅前地下にある日本一のハイテク機械式駐輪場
チャリンコ通勤客がやたらと多く、毎朝の通勤時間帯には駅前が中華人民共和国状態となる葛西駅前の路上駐輪問題を一挙に解決させるべく、葛西駅前地下に整備された駐輪場が凄まじい。ハイテク機械式駐輪場「サイクルツリー」が３６基稼働していて、合計６４８０台の自転車を収納できる仕組みになっている。一見何の変哲も無い葛西駅の地下に日本一巨大な駐輪場が活躍しているのである。
東京都区内に唯一存在する「離島」
東京の離島と聞くとどうしても伊豆諸島や小笠原諸島を思い浮かべるのが普通。しかしこの東京都区内にも埋立地でも何でもない自然の離島が実在する。それが葛西にある「妙見島」。江戸川区東葛西三丁目の一部であり、島への上陸手段は葛西と浦安を繋ぐ浦安橋だけ。かつてコンクリート護岸が施される前は年々島自体が下流方向にズレてきたらしい。現在は月島食品工業やその他の工場や島の労働者が住み込む従業員寮などが立ち並び、マリーナやラブホなんかもあるが、生活感には乏しい。また最寄り駅も浦安駅からの方が近い。
その他、葛西駅周辺の写真集
葛西と言えば地下鉄博物館。家族連れでいつも賑わってますね
「怒羅権」発祥の地、中国残留孤児受け入れ施設「常磐寮」の跡地。現在は江戸川区障害者支援ハウス